Keyboardio Atreusを約3ヶ月使った感想

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Keyboardio Atreus
この3ヶ月間、Keyboardio Atreusという44個しかキーのない特殊配列カスタムメカニカルキーボードを使っていました。
自分にとってKeyboardio Atreusの良いところや困るところも見えたのでブログにまとめておきます。

良いところ

見た目がカッコよくてコンパクト

真っ黒かつミニマルにまとまっていてかっこいい。
 

ホームポジションから動かずに入力できる

キーが少なくコンパクトにまとまっているのでホームポジションから動かずに最小限の動作でキー入力ができます。
今までは自己流タッチタイピングだったのでホームポジションを無視してキーを叩いていましたが、Keyboardio Atreusを使うようになってホームポジションを軸にしたタッチタイピングに矯正することが出来ました。
 

キーアサインを自由にできる

Keyboardio AtreusはKaleidoscopeというファームウェアで動いています。ChrysalisというGUIアプリでレイヤーごとの一般的なキーマップ変更ができるし、Arduino IDEを使ってプログラムを書き換えればダブルタップや長押し時に違う挙動を割り当てたりできます。
通常のキーボードだと遥か右上にあるBackspaceを親指位置にを配置して手の動きを最小限にしたり、開発でよく使う「:」や「"」をホームポジションから近い「Fn+H」や「Fn+G」に割り当てたり、「z」「/」キー長押しでshiftにしたりと、自分の使いやすいように少しずついじっていけるのが楽しいです。
 

デフォルトのキーマップのカーソルキー割り当てが使いやすい

カーソルキーのアサインはカスタマイズせずにデフォルトの「Fn + E, S, D, F」を使っています。
ゲームでよく使われるWASDから右に一つずれている配置ですが、ホームポジションから動かずに右親指でFnを押して左手でカーソルを動かせるのが非常に合理的かつ楽ちんで良いです。
 

Column Staggered

一般的なキーボードの横ずれ配置(Row Staggered)ではなく指を置いた時の手の形に合わせた縦ずれ配置(Column Staggered)です。
確かにこの方が指の動きは小さいし、タイプミスした時のリカバリーも早い気がします。
Fn押しながらの数字入力をテンキー的な配置にしたときに自然に扱えるのもColumn Staggeredのいいところです。
 

困るところ・どうしても慣れないところ

ハの字レイアウト

Keyboardio Atreusは一体型ながらも肩を開いた自然な姿勢で使えるようにキーが左右で分割されてハの字に配置されています。
一見、体に良さそうではありますが、自分は姿勢が強制される感じがあって窮屈に感じます。
また、せっかくコンパクトなキーボードなのにハの字に広げた腕が机上のスペースを食ってしまうのも難点です。
 

キーが少なすぎる

これに尽きます。
外側のキーがバッサリなくて親指で修飾キーなどを使う設計なのですが、自分の場合は親指で押しやすいのは内側の3キーのみ。その結果、親指側のshiftが使いづらいため「z」「/」キー長押しでshiftにしていますが「cmd-shift-z」のショートカットを使うときなどたまに不都合が発生します。
結局、小指外側にもキーが欲しいと思うようになってしまいました。
また、スペースキーは右手側のみに配置していますが、スペースキーってショートカットやスクロールなど意外と役割が多くて左手で押したいことも度々発生します。キー数が多ければ両側に配置できたんですが…。
キーボードショートカットで数字キーが絡んでくると押すキーが多すぎて混乱するという問題もありました。
 

片手打ちができない

iPhone片手に作業していたり、リラックスしてwebを見ているときなど、割と片手打ちがしたい時があることに気がつきました。しかし、キー数が少なくレイヤーを多用しハの字レイアウトなKeyboardio Atreusは両手使い前提のため片手打ちが非常に困難です。
結局、そういう時は持っているものを置いて姿勢を正してキーボードに向かう必要があり大変です。
 

まとめ

3ヶ月使った結果としては「自分には合わなかったな」というのが正直な感想です。
が、こういった極端なキーボードを使ってみることで、自分にとって理想的なキーボードに必要な要素は何かということが見えてきました。
また、慣れるまでの初めの2週間は歯痒いながらも体に配列を覚えさせたりキーマップを自分好みに調整したりして楽しい時間を過ごせました。楽器を覚えるってこんな感じなのかなと思ったりします。
何より、Keyboardio Atreusは初めて見た時から「かっこいいな、慣れたら使いやすそうだな、使ってみたいな」と思ったキーボードで、買わなかったらずっと頭の片隅に憧れがあったはずです。
自分には合わなかったけど、とてもいいキーボードなのでいい経験になりました。